ブルース・スプリングスティーンとクラレンス・クレモンズ〜永遠のミッシング・リンク
ブルース・スプリングスティーンの自伝的作品「Tenth Avenue Freeze-Out」(『Born To Run』収録)にはこう歌われている。「ビッグ・マンがバンドに加わって、転機が訪れた」と。 ブルースとザ・ビッグ・マンことクラレンス・クレモンズの出会いは今や伝説だが、クラレンスは半分は作り話と認める愉快な自伝『Big...
View Articleヘディ・ウエストを偲んで〜その足跡と名曲「500 Miles」の源流を辿る旅
2005年7月3日、名曲「500 Miles(500マイルも離れて)」で知られるアメリカの歌手ヘディ・ウエストが闘病の末に癌で亡くなった。享年67だった。 今日は女性フォーク歌手の草分け的存在だった彼女を偲んで…その足跡と名曲にまつわるエピソードをご紹介します。...
View Article年収132億円のロックバンドは?〜2018年世界のミュージシャン収入ランキング
毎年恒例となる「Celebrity 100」の2018年版を、アメリカの経済誌Forbesが7月16日に発表した。「The World’s Highest-Paid Entertainers」と題して、今年も世界のエンターテイナー/スーパースターが1年間(昨年6月1日〜今年6月1日)にどれだけ稼いだかをランキングしたものになった。 1999年〜2014年の「Celebrity...
View Articleブルース・スプリングスティーンが憧れのヒーローだったエルヴィスのために書いた「ファイア」
ブルース・スプリングスティーンは2016年にBBCラジオ4に出演したとき、無人島に持っていくレコードについて、「これは俺を感電させた音楽なんだ。ある種、俺の人生を変えるように駆り立ててくれたものなんだよね」と語っている。 彼が選んだのは以下の8曲、筆頭がエルヴィス・プレスリーだった。 エルヴィス・プレスリー「ハウンド・ドッグ」 (1956) ザ・ビートルズ「抱きしめたい」(1963)...
View Articleブルース・スプリングスティーン〜禁じられた日々
1975年8月に発表されたブルース・スプリングスティーンの3作目『Born To Run』は、センセーションを巻き起こす。だが、その成功の喜びも長くは続かなかった。マネージャーのマイク・アペルとの関係がこじれていたのだ。アペルは『Born To Run』の共同プロデューサー、ジョン・ランダウの影響力を好ましく思っていなかった。...
View Articleウディ・ガスリーを偲んで〜ディランやスプリングスティーンに多大な影響を与え男の功績と“本当に伝えたかったメッセージ”とは!?〜
ウディ・ガスリーを“アメリカの国民詩人”と定義したのは、日本人の村上春樹だった。 アメリカ人は、彼をプロテストソングの先駆者として、またはアメリカンフォークソングの父としてとらえていたという。 彼は数多くの音楽を作ったが、そのほとんどは“一回限り”のもので、歌い終えれば、端からどんどん忘れていった。...
View Articleブルース・スプリングスティーンのロンドンにおける初ライブを観て触発された若き日のジョー・ストラマー
レコード会社やマネージャーによってあたかもボブ・ディランのフォロワーのように売り出された経緯もあって、ブルース・スプリングスティーンは今ひとつパッとしないシンガー・ソングライターと見做されていた。 しかし地道なライブを積み重ねることで音楽ファンの間の一部で評判が高まっていたブルースが、朋友のE・ストリートバンドとともに作り上げた3枚目のアルバム『明日なき暴走(Born To...
View Articleハイ・フィデリティ〜音楽を聴くことの素晴らしさや興奮をもう一度取り戻したい人たちへ
音楽を聴くこととは、一体何なのだろう? 「毎日の生活のテンションを上げたい」「楽しみが欲しい」「勇気や力をもらいたい」「救われた気持ちになる」「疲れが癒される」「大切な人と共感したい」「みんなで一緒に歌いたい」「あの頃の自分が蘇る」「仕事や企画のアイデアになる」……それぞれの想いが音楽を必要としている。...
View Article11月のナンバーワンアルバム⑪〜アイザック・ヘイズ/ピーター・ポール&マリーほか
★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド 「TAP the COLOR」連載第304回〜BLACK〜...
View Articleロイ・オービソン〜“ビッグ・オー”と永遠の少年たち
「1975年に『Born To Run』を作るためにスタジオ入りした時、僕はボブ・ディランのような詩を書き、フィル・スペクターのようなサウンドを作り、デュアン・エディのようなギターを弾き、そして何よりもロイ・オービソンのように歌おうと努力したんだ」 1987年、ロックンロール殿堂入りの授賞式。ブルース・スプリングスティーンはそう言って...
View Article初期のボブ・ディランによるプロテスト・ソングの傑作「ハッティ・キャロルの寂しい死」
ボブ・ディランの「ハッティ・キャロルの寂しい死(The Lonesome Death of Hattie Carroll)」は、1963年に起きた殺人事件に題材を得て作られたプロテスト・ソングの傑作といわれる。 冒頭から殺人が淡々と語られるところなどは、殺人を克明に描いた”マーダー・バラッド”と呼ばれる曲の影響を感じさせる。...
View Articleレディー・ガガ27歳〜世界で最も稼ぐ二十代となった彼女が経験した裏切りと、シアトリカルな創造力〜
2013年、レディー・ガガは27歳にしてアルバム『ARTPOP』で新境地を切り拓いた。アルバムのリリースイベントをニューヨークのブルックリン海軍工廠(Brooklyn Navy Yard)で開催し、ガガはその圧倒的なパフォーマンスで観客とマスコミ関係者を驚愕させた。 Come to me, in all your glamor and cruelty Just do that thing that...
View ArticleTAP the POPがセレクトするクリスマス・ソング〈裏〉名曲を一挙紹介!
街はクリスマス・ムード一色。あちこちからクリスマス・ソングが流れてきますが、いつも同じ曲ばかり流れてきてちょっと食傷気味という方も多いのでは? そんなアナタに、クリスマス・ソングの隠れた〈裏〉名曲の数々をTAP the POPがセレクト! ロック、ブルース、ロカビリー、レゲエ……と、さまざまなジャンルのクリスマス・ソングを新旧織り交ぜて30曲以上、ドドッと紹介していきます! クイーン「Thank...
View Articleナット・キング・コール〜20世紀を代表する偉大なシンガーは、もともと“歌わないはずの”ピアニストだった〜
それは今から約半世紀前の出来事だった。 1965年2月15日、20世紀の音楽シーンに偉大な功績を残した男が、サンタモニカの病院で家族に看取られながら静かに息をひきとった。 14歳だった彼の次女は「自分も父のような歌手になるんだ」と心に誓ったという。 ジャズ・ピアニストからポップス・シンガーに転身し、まさに“ジャンルを超えた活躍”を体現した彼の命を奪ったのは肺癌だった。享年45。...
View Articleあのライヴ盤はどれだけ売れているのか〜アンプラグドで2600万枚を売ったギタリストは?
今回は「ライヴ盤」に絞り込んだセールスランキングをお届け。 CDが売れなくなった現在、アーティストたちのライヴに注目が集まっている。そこには一夜の夢があり、興奮があり、感動がある。ライヴアルバムに耳を傾けることは、部屋や車の中でそれをいつでも共有し、アーティストの熱い演奏や歌と一体化できる特別な時間でもある。...
View Articleロックンロールが開いてくれた扉から生まれてきた佐野元春の「SOMEDAY」
ブルース・スプリングスティーンの「ハングリー・ハート」がアメリカで全米チャートの5位にランクされるヒットになったのは、1980年の年末から翌年にかけてのことだ。 それから半年後、日本では佐野元春の「SOMEDAY」が6月25日にシングルで発売になった。 しかし発売した当時、このレコードはそれほど反響があったわけではなく、オリコンのシングルチャートでは100位にも入っていない。...
View Article個人の意思から神の意思へと昇華した「ウィー・シャル・オーヴァーカム」
2006年4月25日、ブルース・スプリングスティーンは『ウィー・シャル・オーヴァーカム:ザ・シーガー・セッション』をリリースした。フォーク界の伝説、ピート・シーガーの作品をカヴァーした1枚である。 この作品でブルースは、アメリカの遺産ともいえるフォーク・ミュージックと、その故郷でもあるアイルランドの伝統音楽に包まれながら、実に生き生きとプレイしている。...
View Articleフランク・シナトラが死んだ時、アメリカでは異例の形で哀悼の意が表された
「長年に渡って一番の親友だった彼は、偉大なストーリーテラーにして、とてつもないミュージシャンだった。若い頃にはギャングのようにふるまったこともあって…色々と誤解もされてきたけれど、本当の彼はそうではなかった。彼には優しさと人を想う心があった。」(トニー・ベネット) 「オリジナルで偉大なイタリア人、偉大なアメリカ人、そして素晴らしい役者だった。」(マーティン・スコセッシ)...
View Articleクロッシング・ガード〜娘を交通事故で亡くした父親の“復讐”を描くショーン・ペン監督作
ブルース・スプリングスティーンの「Highway Patrolman」からテーマを得た監督デビュー作『インディアン・ランナー』(1991)で、それまでの「マドンナの夫」(85〜89年)や「パパラッチへの暴力」といった世間を騒がすスターのイメージから脱却したショーン・ペン。だが、本物を知る人たちには最初から分かっていた。彼は映画界の貴重な知的良心であることを。 『クロッシング・ガード』(The...
View Articleブルース・スプリングスティーンとクラレンス・クレモンズ〜永遠のミッシング・リンク
ブルース・スプリングスティーンの自伝的作品「Tenth Avenue Freeze-Out」(『Born To Run』収録)にはこう歌われている。「ビッグ・マンがバンドに加わって、転機が訪れた」と。 ブルースとザ・ビッグ・マンことクラレンス・クレモンズの出会いは今や伝説だが、クラレンスは半分は作り話と認める愉快な自伝『Big...
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