69年の夏、交錯する様々なメタファー
♪ 最初のギターは 安物の雑貨屋で買った 指から血がにじむまで弾いたものさ あれは69年の夏のこと ♪ ブライアン・アダムスの「思い出のサマー」は、ギターを手に入れた夏の描写から始まる。1959年生まれのブライアンは1969年当時、9歳だった計算になる。彼は早熟だったのだろうか?...
View Articleレディー・ガガ Born This Way〜その生い立ちと青春時代
1986年3月28日、彼女はニューヨーク州南部のウエストチェスター郡にあるヨンカーズという街で生まれた。 シチリア島をルーツとするイタリア系アメリカ人として誕生した彼女の出生名はステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタ。 父親はインターネット企業の実業家で、裕福な家庭環境の中、彼女は箱入り娘として育てられた。 母親は美しくて教養があり、とても優しい女性だったという。...
View Articleエリー・グリニッチを偲んで〜60’sアメリカンポップスの金字塔「Be My Baby」を生んだ女性ソングライターの足跡と功績
2009年8月26日、ニューヨークの聖ルカ・ルーズベルト病院でエリー・グリニッチ(享年68)が死去した。 数日前に肺炎で入院し、そのまま心臓発作で亡くなったという。 彼女は夫のジェフ・バリーとの作曲チームを組んで60’sアメリカンポップスのヒット曲を量産したソングライターだった。 代表作にはフィル・スペクターと共に作り上げたザ・ロネッツの「Be My Baby」や、ザ・クリスタルズの「Da Doo...
View Articleエディ&ザ・クルーザース〜その正体はジョン・キャファティ&ザ・ビーバー・ブラウン・バンド
1983年。アメリカで1本の映画がひっそりと公開された。タイトルは『エディ&ザ・クルーザース』(Eddie and the Cruisers)。主演はTVドラマで人気が出始めていたマイケル・パレと、70年代から何本かの映画に出演していたトム・べレンジャー。後にパレは『ストリート・オブ・ファイヤー』、べレンジャーは『プラトーン』で誰もが知るスター俳優となる。...
View Articleロナルド・レーガンの言葉に対するブルース・スプリングスティーンの返答
♪ 俺はUSAで生まれた 俺はUSAで生まれた 俺はUSAで生まれた ♪ ブルース・スプリングスティーンが1984年に発表した『ボーン・イン・ザ・U.S.A』は、政界を巻き込んで大きな論争に発展することとなった。...
View Articleブルース・スプリングスティーンが探し求めたトム・ジョードの亡霊
ブルース・スプリングスティーンが1995年に発表した「The Ghost of Tom Joad」(トム・ジョードの亡霊)。 トム・ジョードは、20世紀のアメリカを代表する作家、スタインベックの『怒りの葡萄』の主人公の名前である。 “...
View Articleボノ27歳〜ヨシュア・トゥリーの大ヒット、アカデミー賞授賞式で語った印象的なスピーチ
1987年3月、ボノが27歳を迎える2ヶ月前にU2の5thアルバム『The Joshua Tree(ヨシュア・トゥリー)』は発表された。 前作『The Unforgettable Fire(焔-ほのお)』からの3年間、彼らはアフリカ救済、エイズ撲滅などのチャリティーイベントに参加して国際的な知名度を得つつあった。 『The Joshua...
View Articleロイ・オービソン〜“ビッグ・オー”と永遠の少年たち
「1975年に『Born To Run』を作るためにスタジオ入りした時、僕はボブ・ディランのような詩を書き、フィル・スペクターのようなサウンドを作り、デュアン・エディのようなギターを弾き、そして何よりもロイ・オービソンのように歌おうと努力したんだ」 1987年、ロックンロール殿堂入りの授賞式。ブルース・スプリングスティーンはそう言って...
View Article男たちのバラード②〜あの時孤独な心を救ってくれた“至上の一曲”たち
傷つき疲れ果てた夜。屈辱に覆われた夜。孤独に耐え抜いた夜。辛い過去に囚われた夜。悲しみに暮れた夜。一人で泣いた夜。そして静かに復活を誓った夜。あの時救ってくれた音楽。あの時人知れず耳を傾けた自分だけの音楽。アーティストたちも同じ風景を見つめていた。題して「男たちのバラード」。この至上の一曲たちを男たちに捧ぐ。(選曲/中野充浩) ローリング・ストーンズ「If You Really Want to...
View ArticleTAP the POPがセレクトするクリスマス・ソング〈裏〉名曲を一挙紹介!
街はクリスマス・ムード一色。あちこちからクリスマス・ソングが流れてきますが、いつも同じ曲ばかり流れてきてちょっと食傷気味という方も多いのでは? そんなアナタに、クリスマス・ソングの隠れた〈裏〉名曲の数々をTAP the POPがセレクト! ロック、ブルース、ロカビリー、レゲエ……と、さまざまなジャンルのクリスマス・ソングを新旧織り交ぜて30曲以上、ドドッと紹介していきます! クイーン「Thank...
View Article歌でつながっているアメリカ合衆国で唄いつがれるスティーブン・フォスターの「故郷の人々」
アメリカ合衆国は歌でつながっている国だと言ってもいい。 市や町や地域のコミュニティを構成する人々は多種多様だ。 それぞれのコミュニティにとってのアメリカがあり、そこには人々に必要とされる歌がある。 人々を互いに結びつけてきた歌が、コミュニティで唄いつがれて今日に生きている。...
View Articleブルース・スプリングスティーンとクラレンス・クレモンズ〜永遠のミッシング・リンク
ブルース・スプリングスティーンの自伝的作品「Tenth Avenue Freeze-Out」(『Born To Run』収録)にはこう歌われている。「ビッグ・マンがバンドに加わって、転機が訪れた」と。 ブルースとザ・ビッグ・マンことクラレンス・クレモンズの出会いは今や伝説だが、クラレンスは半分は作り話と認める愉快な自伝『Big...
View Articleエディ&ザ・クルーザース〜その正体はジョン・キャファティ&ザ・ビーバー・ブラウン・バンド
1983年。アメリカで1本の映画がひっそりと公開された。タイトルは『エディ&ザ・クルーザース』(Eddie and the Cruisers)。主演はTVドラマで人気が出始めていたマイケル・パレと、70年代から何本かの映画に出演していたトム・べレンジャー。後にパレは『ストリート・オブ・ファイヤー』、べレンジャーは『プラトーン』で誰もが知るスター俳優となる。...
View Articleクロッシング・ガード〜娘を交通事故で亡くした父親の“復讐”を描くショーン・ペン監督作
ブルース・スプリングスティーンの「Highway Patrolman」からテーマを得た監督デビュー作『インディアン・ランナー』(1991)で、それまでの「マドンナの夫」(85〜89年)や「パパラッチへの暴力」といった世間を騒がすスターのイメージから脱却したショーン・ペン。だが、本物を知る人たちには最初から分かっていた。彼は映画界の貴重な知的良心であることを。 『クロッシング・ガード』(The...
View Articleロイ・オービソン〜“ビッグ・オー”と永遠の少年たち
「1975年に『Born To Run』を作るためにスタジオ入りした時、僕はボブ・ディランのような詩を書き、フィル・スペクターのようなサウンドを作り、デュアン・エディのようなギターを弾き、そして何よりもロイ・オービソンのように歌おうと努力したんだ」 1987年、ロックンロール殿堂入りの授賞式。ブルース・スプリングスティーンはそう言って...
View ArticleWe Are The World〜チャリティソングの金字塔となった歌がレコーディングされた日
それはMTV全盛期と言われた80年代中頃の出来事だった。 ──1984年の12月24日にボブ・ゲルドフ(ブームタウンラッツ)とミッジ・ユーロ(ウルトラボックス)の呼びかけで、アフリカの飢餓と貧困を解消する目的で作られた歌「Do They Know It’s Christmas?」が発表され“バンド・エイド”というチャリティーキャンペーンが大きな成功を収めた。...
View ArticleWe Are The Worldの舞台裏で…
1984年、マイケル・ジャクソンは名実ともに絶頂期を迎えていた。 当時、彼はテキサス州のがん研究施設から救い出された3歳のチンパンジーを引き取って、どこへ行くときも同行させていた。 “バブルス”と名付けたそのチンパンジーに自分とおそろいの服を着せてパーティーや報道機関向けのイベントに連れて行き、ムーンウォークの踊り方も教え込んだという。...
View ArticleDrift Away〜自由!さすらい!ロック黄金期を讃える歌
さあビートをくれ!俺の魂を自由にしてくれ! ロックンロールの海に溺れ、さすらいながら流れていくんだ! 「自由!さすらい!ロックンロール!」 古き良きロック黄金期を象徴するようなフレーズが歌のサビで繰り返される名曲「Drift Away (明日なきさすらい)」は、70年代〜80年代に多くのアーティスト達がコンサートで取り上げた“ロックンロール讃歌”だ。...
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